タイニュース 二本立て 【画像ニュース】 タイの連続爆弾テロ事件 ホアヒン、プーケットで時限爆弾発火装置、携帯電話はマレーシア製 ほか
<タイの連続爆弾テロ事件 ホアヒン、プーケットで時限爆弾発火装置、携帯電話はマレーシア製 【タイ王国危険情報】>
タイのテレビ報道によると、8月11日(木)、12日(金)に複数の爆弾が爆発して死傷者が出た、バンコク以南のプラチュアップキーリーカーン県ホアヒン市(郡都)と南部プーケット島のパトンビーチで、14日(日)、携帯電話、アルコールなどからなる時限発火装置とみられる不審物がみつかった。
不審物はいずれも衣料品店に放置されていた。放火を目的に12日(金)未明に発火するよう仕掛けられたが、うまく機能しなかった模様だ。
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タイでは11日からシリキット王妃誕生日のしゅくじつである翌12日にかけ、人気ビーチリゾートのホアヒン、プーケットなどで爆弾が爆発し、4人が死亡、英国人、オランダ人など外国人を含む37人がケガをした。
商店街などでの不審火も相次ぎ、タイ軍事政権とタイの主要産業である観光業へのダメージを狙った政治的犯行という見方が出ている。
日本の外務省は一連の爆弾事件を受け、8月12日、タイに渡航・滞在する日本人に注意を呼び掛けた。
最初の爆弾は11日午後、南部トラン市(ムアン郡)の市場前で爆発し、屋台商のタイ人男性1人が死亡、5人が負傷した。現場はトラン県庁舎から数百メートル。
同日夜、ホアヒンの屋台が立ち並ぶ路上で爆弾が爆発。その数十分後、1発目から50メートルほど離れた場所で2発目が爆発した。2度目の爆発で屋台商のタイ人女性1人が死亡、外国人を含む約20人がケガをした。
ホアヒンでは翌12日(金)朝にも市街地で爆弾2発が爆発し、女性1人が死亡、数人がケガをした。ホアヒンはタイ王国の離宮「クライカンウォン宮殿」があることで知られる。
12日朝には南部スラーターニー市(ムアン郡)で爆弾2発が爆発し、1人が死亡、数人が負傷。プーケットのパトンビーチとロマビーチでも爆弾が爆発し、1人が負傷、交番が破損した。
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南部パンガー県の2カ所でも爆弾が爆発したが、ケガ人はなかった。
12日未明には南部の複数の町で火災が発生し、爆弾事件と連動した放火が疑われている。
南部ナコンシータマラート市(ムアン郡)ではショッピングセンター、「テスコ・ロータス」ナコンシータマラート店で火事があり、店内の一部が焼損した。
トラン市(ムアン郡)では3階建ての商店が、パンガー市(ムアン郡)では市場の約80店、スラターニー市(ムアン郡)では商店街の3階建てショップハウス3棟、クラビー市(ムアン郡)では商店街の4店舗が、いずれもほぼ全焼した。
火災による死者、ケガ人はなかった。
タイ警察は一連の事件を同一グループの犯行とみて捜査を進めている。すでに数人を拘束した模様だが、詳細は明らかになっていない。
防犯カメラに映った、ホアヒンの爆弾テロに関わる容疑者ら2人(現在拘束中)
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また、爆弾、発火装置に使われた携帯電話はマレーシアから持ち込まれた疑いがあり、マレーシア当局に捜査協力を要請した。
マレーシア産の携帯電話である「MCMC(マレーシア通信マルチメディア委員会)」のステッカー
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今回の犯行については、タイ軍政と対立するタクシン元首相派、タイ深南部のマレー系イスラム武装勢力、国際テロ組織などの関与説が浮上している。
タイ国家警察幹部はタクシン派の関与を匂わす一方、深南部のマレー系イスラム武装勢力や国際テロ組織の関与を否定しているが、マレー系イスラム武装勢力や国際テロ組織の関与していた場合、政治的、対外的な影響が大きいことから、とりあえず否定した可能性がある。タクシン派は事件への関与を否定している。
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タイでは軍政が作成した憲法案の賛否を問う国民投票が8月7日(日)実施され、賛成多数で可決された。
新憲法が施行されると、軍・特権階級による統治が少なくとも2022年まで続く公算が大きく、タクシン派は憲法案に強く反対していた。今回の事件が集中した南部は軍・特権階級に対する支持が強く、タクシン派の地盤である東北部、北部とは政治的に対立関係にある。
マレーシアと国境を接するタイ深南部ではマレー系イスラム武装勢力とタイ治安当局の抗争が続き、銃撃、爆弾テロが頻発。2004年以降、1万5000件を超えるテロが発生し、6500人以上が死亡した。
ホアヒンでの爆発のように、1発目の爆発で警察官、兵士をおびき寄せ、2発目を爆発させる手口はマレー系イスラム武装勢力がよく使う方法という指摘がある。
ただ、マレー系イスラム武装勢力によるテロは、その殆どが深南部に限定され、ホアヒン、ナコンシータマラートなどへの攻撃が過去に例がない。
国際テロ組織による犯行説はタイではあまり支持されていない。ただ、隣国マレーシアでは過激派組織「イスラム国(IS)」の影響下にあるとされるテロ容疑者の摘発が相次ぎ、可能性はゼロではないとみられている。
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バンコクでは昨年8月17日(月)、都心のラーチャプラソーン交差点の観光名所「エラワン廟」で爆弾が爆発し、タイ人6人、中国5人を含む20人が死亡、日本男性1人を含む128人が重軽傷を負った。
この事件では「スケープゴート(身代わり)」とも言われる中国籍のウイグル族とみられる男2人が逮捕され、現在、タイ軍法会議で裁判が行われている。
ウイグル族は主に中国の新疆ウイグル自治区に居住し、殆どがイスラム教徒。中国政府による弾圧を逃れ、東南アジアなどに脱出するケースが増えている。
一部は民族的に近いトルコが引き取っているが、中東に渡り、過激派組織に加わることもある。
タイ軍政は不法入国で逮捕した中国籍のウイグル族109人を昨年7月、中国に強制送還した。バンコクでの爆弾テロは、この措置に対するウイグル族組織の報復という見方がある。
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【newsclip.be 日本語総合情報サイト@タイランド2016年8月15日(月)付HPより加筆/画像:カオソット紙16年8月14日(日)付/12日(金)祝日HP/デイリーニュース紙16年8月14日(日)付HP/プーチャッカーン新聞16年8月14日(日)付/08年11月6日(木)付HP/バンコクポスト紙16年8月15日(月)付/15年9月22日(火)付HP/StickboyBangkok16年8月11日(木)付HP/マティチョン紙16年8月14日(日)付HP/says.com15年11月16日(月)付HPより】
<チャーン島で外国人が相次いで溺死 【タイ東部ニュース】>
観光の島として知られるタイ東部トラート県チャーン島の海岸で8月14日(日)、悪天候の中で沖に流された英国人女性、ブライオニ・フリーストーンさん(19)が救助されたものの、搬送先の医療機関で正午すぎに死亡が確認された。医師らが約2時間にわたり蘇生を試みたが、息を吹き返さなかった。
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亡くなった英国人女性、ブライオニ・フリーストーンさん(19)
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同島では13日(土)にも息子2人を連れて海岸に来ていたドイツ人男性、クリストフ・ラルフさん(55)が沖に泳いでいった息子たちを連れ戻そうと海に入ったものの途中で力尽きて溺死する事故があった。息子たちは自力で岸に泳ぎ着いて無事だった。
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【バンコク週報2016年8月15日(月)付HP/画像:タイラット新聞16年8月14日(日)付/13日(土)付HP/StickboyBangkok16年8月14日(日)付HP/カオソット紙16年8月14日(日)付/13日(土)付HPより】